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ゼロを取り巻く市場環境

承認:エディタ

当社グループが置かれている経営環境

市場環境

当社グループの主たる事業であります国内自動車関連事業は、消費税や自動車取得および保有時などの関係諸税の税制に影響を受けやすい国内自動車販売市場の動向に連動しております。日本国内の新車市場は90年代の700万台をピークに、それ以降は停滞が続き、コロナ禍の混乱を経て近年の新車販売台数は500万台を切る水準で推移しております。さらに人口減少などによる運転免許保有者の減少や自動車の所有形態が変化していくなど、中長期的に見れば市場は減少傾向にあります。
また、物流業界においては中長期的な原油価格の高騰リスクや2021年以降急激に進んだ円安基調に伴う燃料価格上昇基調の環境下に加え、コンプライアンスへの対応、日本国内における労働力不足、特に乗務員の不足への対応、さらには働き方改革関連法および改善基準告示改正に起因する「物流2024年問題」への対応ならびに消費者物価指数の上昇に伴う賃金上昇機運の高まりによる企業のさらなる負担増加など、引き続き厳しい事業環境が続くものと考えております。

外部環境について

為替レートと消費者物価指数

2022年から急速に進んだ円安ドル高に伴い燃料価格の高騰がありましたが、当社では2022年9月から燃料サーチャージ制(FSC)を導入したことにより、燃料価格の変動による影響はほぼ受けない体制となっております。
一方で、当社は主にマレーシア向けに中古車の輸出事業を行っており、円安が進んだことにより海外の顧客にとっては仕入価格を抑えることができるため、好調な売上の伸びにつながりましたが、当社は円建てによる取引を行っているため、為替の変動による影響はほぼありません。
また、消費者物価指数については2022年以降上昇しており、当社への影響としては賃金上昇という形であらわれてくると考えています。

為替レート(円 / ドル)

消費者物価指数(総合)

国内自動車総市場について

国内自動車販売動向

新型コロナウィルスの感染拡大による自動車工場の生産停止や半導体不足による生産調整などがあったことに伴い、新車の生産が減少した一方で中古車の需要が拡大しました。一方で、大手中古車販売店における保険金の不正請求や自動車メーカーにおける認証試験等における不正などが相次いで発覚したことにより、自動車流通における信頼が揺らぐ事態が起きました。
コロナ禍以前は、新車販売台数は年間500万台前後で推移していましたが400-450万台となり、また、中古車販売・登録台数は700万台前後で推移していましたが650万台前後と以前の水準よりも減少しましたが、自動車メーカーの生産再開や不正のあった中古車販売店の引受先が決まるなど市場の混乱は収束方向にあります。

国別中古車輸出市場

海外向けの中古車輸出は、日本品質の自動車を求める需要が旺盛で、堅調に推移しています。特にUAEやロシア向けの輸出は伸長しておりますが、2023年8月からはロシア向けの輸出規制が始まったものの、他国経由の輸出ルートの開拓などにより引き続き輸出市場は活発な動きとなっています。
また、他の地域向けとしてはアフリカやASEAN向けの輸出も伸長しており、当社グループの中古車輸出事業において主要な取引先であるマレーシア向けの輸出台数は着実に伸びており、マーケットシェアも拡大しております。

中古車オークション(AA)取引動向

中古車オークション(AA)における取引は、コロナ禍においては新車の生産停止や生産調整に伴い、新車の販売が低迷したことにより下取り車が減少したため、一時的に出品台数や成約台数の減少が見られたものの、出品台数は700万台前後、成約台数は450-500万台となっており、成約率は近年上昇傾向にあります。 また、出品台数の一時的な落ち込みによる需給バランスの引き締まりや輸出市場からの引き合いが強まったことに伴い、成約単価も上昇傾向にあり、活発な取引が継続しています。

自動車流通市場

市場環境(車両輸送市場)

自動車流通市場とは

自動車流通市場は、「新車市場・中古車市場・利用者市場」の3つに分けられます。

「新車市場」とは、自動車メーカーで製造された自動車を自動車ディーラーを通じて販売したり、海外へ輸出を行ったりする際に自動車を輸送する市場です。

「中古車市場」とは、自動車の所有者が中古車販売店や買取専門店に売却したり、業販市場(自動車ディーラーや中古車販売店などの業者間において自動車の取引を行う市場)における取引などを行ったりする際に自動車を輸送する市場です。
「利用者市場」とは、自動車を保有している個人の方が引越などで遠方に自動車を輸送したり、レンタカーやカーリース、カーシェア車両を移動のために輸送する市場です。

なお、それぞれの市場では、自動車の名義変更(陸運局)や車検の実施(整備工場)などで自動車を輸送するニーズもあります。

ゼログループでは、自動車流通市場における車両輸送事業に加えて、新車をお客様にお届けする前の「納車前整備(PDI:Pre Delivery Inspection)」を行う事業や業販市場における取引の仲介を行う自動車のオークションや入札会の運営支援・付随サービスの提供、お客様の自動車による送迎サービスを行う自家用自動車運行管理事業、海外向けの中古車輸出販売事業などの周辺ビジネスを手掛けております。