コーポレート・ガバナンスに関する報告書
コーポレート・ガバナンス報告書
基本的な考え方
当社のコーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方は、株主、顧客、従業員、取引先、地域社会など様々な利害関係者との関係における企業経営の基本的枠組み(経営監督機能、リスクマネジメント、コンプライアンス、アカウンタビリティー、及び経営効率の向上)を適切に構築することにより、株主利益の増大に努めることであると考えております。
コーポレート・ガバナンス体制
(2024年10月1日現在)
取締役会
取締役は提出日現在8名の体制で、うち3名は社外取締役であります。社外取締役には経営意思決定への全面的な参画を求め、取締役会の機能強化のみならず経営の透明性の向上を図っております。取締役会は、定時取締役会を毎月開催するほか、必要に応じて臨時取締役会を開催し、重要事項の決定や報告、事業の状況についての情報の共有化を図っております。
監査役会
監査役につきましては、監査役3名のうち2名を社外監査役とする体制とし、年度毎の監査役監査計画に基づき監査を実施しております。
任意の機関
諮問委員会
2021年8月5日開催の取締役会におきまして、取締役会の任意の機関として、諮問委員会を設置することを決議いたしました。諮問委員会は、当社におけるガバナンスの自浄性、自律性、透明性の向上を図ることを目的として、取締役及び執行役員の指名、取締役の個人別報酬、支配株主(親会社)との間で利益が相反する重要な取引や行為等について、諮問の上、適宜、取締役会に対して提言いたします。取締役会において選定された3名の諮問委員(独立社外取締役(委員長)、社外監査役及び代表取締役社長)で構成されております。
執行役員制度
業務の執行と監督の分離をして、経営意思決定の迅速化と業務執行責任の明確化を図るため、執行役員制度を導入しております。
取締役会
2024年6月期における活動状況
役職名 |
氏名 |
取締役会出席状況 |
代表取締役社長 |
北村 竹朗 |
17回/17回(100.0%) |
代表取締役副社長 |
柴崎 康男 |
17回/17回(100.0%) |
取締役 |
小倉 信祐 |
17回/17回(100.0%) |
取締役 |
髙橋 俊博 |
17回/17回(100.0%) |
取締役 |
タン・エンスン |
5回/17回( 29.4%) |
取締役 |
グレン・タン |
5回/17回( 29.4%) |
社外取締役 |
鎌田 正彦 |
12回/17回( 70.5%) |
社外取締役 |
上村 俊之 |
17回/17回(100.0%) |
社外取締役 |
和田 芳幸 |
16回/17回( 94.1%) |
常勤監査役 |
塩谷 知之 |
17回/17回(100.0%) |
社外監査役 |
鈴木 良和 |
17回/17回(100.0%) |
社外監査役 |
加藤 嘉一 |
17回/17回(100.0%) |
実効性評価
当社は、2019年6月期より取締役会の実効性について毎年評価を実施しております。
2024年6月期は、第三者機関の助言を踏まえた取締役会の実効性に関するアンケートを作成し、取締役会メンバーから第三者機関がアンケートの回収・分析を行い、取締役会における相互の意見交換を行いました。
その結果、バランスのとれた取締役会の構成を背景に、取締役会にて活発かつオープンな議論を行うことで、中長期的な企業価値向上に実効的な役割を果たしていることを確認することができたため、取締役会の実効性は確保されていると評価いたしました。特に昨年度に課題としていた取締役会資料の共有早期化については着実に進捗していることを確認いたしました。
一方で、更なる実効性の向上に向けて、中長期的な視点での議論の更なる充実やIR活動の充実に向けた株主・投資家との建設的な対話を促進するための体制の整備、役員トレーニングの更なる充実が求められる結果となりました。
なお、調査票作成、回収および一部の分析にあたっては、外部機関を活用することで評価の透明性を高め、実効性を確保することとしております。これらの評価結果を踏まえ、今後、課題解決に向けた取り組みを進め、取締役会の実効性の一層の強化に努めるとともに、ガバナンス体制の拡充を図ってまいります。
選任理由
取締役
(2024年10月1日現在)
役職名 |
氏名 |
選任理由 |
代表取締役会長 |
北村 竹朗 |
自動車業界で培った豊富な経験と高い知見をもとに、当社では2006年より取締役に就任し、経営企画を中心に企業経営に従事しております。
2014年に代表取締役社長に就任、2024年7月には代表取締役会長として、適切に業務を遂行しており、今後も引き続き取締役として選任をお願いするものです。 |
代表取締役副会長 |
中江 英毅 |
2007年より当社子会社である苅田港海陸運送株式会社の代表取締役社長として企業経営に従事しております。
また、2010年より当社車両輸送の業務を所管し、2013年より3年間にわたり当社取締役を兼務いたしました。
今般、当社業務執行体制の刷新に合わせ、改めて新任の取締役候補者として選任をお願いするものです。 |
代表取締役社長 |
髙橋 俊博 |
金融業界で培った豊富な業務経験と高い知見をもとに、当社では2017年より取締役に就任、広範な領域で事業運営、企業経営に従事しております。
その後2024年7月の代表取締役社長に就任して以降、適切に業務を遂行しており、今後も引き続き取締役として選任をお願いするものです。 |
取締役 |
タン・エンスン |
親会社であるタンチョンインターナショナルリミテッドの会長であり、タンチョンインターナショナルグループの経営戦略の立場から、当社の経営に関する適切な助言・監督等を行っております。
今後も業務を執行しない取締役としての職務を適切に遂行できるものと判断し、引き続き取締役として選任をお願いするものです。 |
取締役 |
グレン・タン |
親会社であるタンチョンインターナショナルリミテッドの副会長兼マネージングディレクターであり、タンチョンインターナショナルグループの経営戦略の立場から、当社の経営に関する適切な助言・監督等を行っております。
今後も業務を執行しない取締役としての職務を適切に遂行できるものと判断し、引き続き取締役として選任をお願いするものです。 |
社外取締役 |
鎌田 正彦 |
鎌田正彦氏は、物流業界における企業経営者としての豊富な知見を有しており、引き続き当該知見を活かして物流企業の経営者としての専門的な観点から、当社のコンプライアンスおよび業務効率化等に向けた提案を含む積極的な発言や、当社の経営への助言や取締役の職務執行に対する監督等いただくことを期待したためであります。 |
社外取締役 |
上村 俊之 |
上村俊之氏は、公認会計士および税理士としての豊富な知見を有しており、引き続き当該知見を活かして特に公認会計士および税理士としての専門的な観点に加え、国際的なビジネスの視点から企業経営および当社の経営への助言や取締役の職務執行に対する監督等いただくことなど、企業経営および財務体質強化等への積極的な発言を期待したためであります。 |
社外取締役 |
和田 芳幸 |
和田芳幸氏は、公認会計士としての豊富な知識・経験等に加え、複数の企業で社外取締役等に就任されており、引き続き当該知見を活かして特に公認会計士および社外役員経験者としての多岐にわたる観点から、当社の経営への助言や取締役の職務執行に対する監督等いただくことを期待したためであります。
また、同氏の再任が承認された場合は、引き続き諮問委員会の委員長として当社の役員候補者の選定、役員報酬等の決定および親会社との取引等に際し、客観的かつ中立的な立場で関与いただく予定です。 |
監査役
(2024年10月1日現在)
役職名 |
氏名 |
選任理由 |
常勤監査役 |
塩谷 知之 |
自動車業界で培った豊富な業務経験と高い知見をもとに、当社では主に管理部門を担当する執行役員、取締役を歴任し、2019年の監査役就任以降、適切に職務を遂行しております。今後も監査役としての職務を適切に遂行できるものと判断し、引き続き監査役として選任をお願いするものです。 |
社外監査役 |
鈴木 良和 |
弁護士としての豊富な知識・経験等を活かし、当社の監査体制に十分な役割を果たしていただくため、引き続き社外監査役として選任をお願いするものです。 |
社外監査役 |
神谷 俊広 |
神谷俊広氏は、運輸省(現国土交通省)に入省以降、関東運輸局長等を務めるなど組織トップとしての経験が豊富であり、自動車をはじめ鉄道・航空・海上交通等多岐にわたる運輸行政に関する高い見識と豊富な経験を有しております。その知識・経験等を活かし、当社の監査体制に十分な役割を果たしていただけるものと考え、新任の社外監査役候補者としております。 |
スキル・マトリックス
氏名 |
当社における地位 |
専門性・経験および知見 |
企業経営 |
財務・会計・金融 |
法務・コンプライアンス |
営業・マーケティング |
人事・労務 |
グローバルビジネス |
自動車業界知見 |
北村 竹朗 |
代表取締役会長 |
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中江 英毅 |
代表取締役副会長 |
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髙橋 俊博 |
代表取締役社長 |
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タン・エンスン |
取締役 |
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グレン・タン |
取締役 |
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鎌田 正彦 |
社外取締役 |
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上村 俊之 |
社外取締役 |
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和田 芳幸 |
社外取締役 |
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塩谷 知之 |
常勤監査役 |
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鈴木 良和 |
社外監査役 |
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神谷 俊広 |
社外監査役 |
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トレーニング
当社の取締役・監査役は、充分な知見が備わっている者と認識しておりますが、必要に応じて研修の実施、学習の機会の提供や、要望があれば費用を負担するものとします。
役員報酬
報酬の決定に関する基本方針
取締役の報酬は、企業価値の持続的な向上を図るインセンティブとして十分に機能するよう株主利益と連動した報酬体系を取り入れ、個々の取締役の報酬の決定に際しては、固定的な報酬と業績と連動する報酬の組み合わせにより、各職責を踏まえた適正な水準とすることを基本方針といたします。
なお、監督機能を担う社外取締役については、その職責を鑑み、基本報酬のみを支払うものといたします。
報酬決定の手続
報酬の決定にあたっては、取締役の報酬については、グループ全体の業績等を勘案しつつ、各取締役の評価に沿った決定とすべく、各年度の定時株主総会後に開催される取締役会にて決議されることを条件に、代表取締役社長に委任するものとします。委任した理由は、当社全体の業績等を勘案しつつ各取締役の担当部門について評価を行うには代表取締役社長が適していると判断したためであります。委任された内容の決定に際しては、事前に諮問委員会にその妥当性等を諮問し、同委員会からの答申を尊重するものとします。諮問委員会は、取締役会が選定する3名の諮問委員で構成され、うち2名を社外役員とし、委員長は独立社外取締役としております。
また、監査役の報酬については、株主総会の決議により決定した報酬の総額の範囲内で、監査役の協議により決定いたします。
取締役・監査役の報酬等総額
(2024年6月期)
役員区分 |
報酬等の総額
(百万円) |
報酬等の種類別の総額(百万円) |
対象となる
役員の員数
(名) |
基本報酬 |
株式報酬 |
左記のうち、
非金銭報酬等 |
取締役
(社外取締役を除く) |
303 |
184 |
49 |
49 |
4 |
監査役
(社外監査役を除く) |
25 |
21 |
3 |
3 |
1 |
社外役員 |
34 |
34 |
- |
- |
5 |
社外役員独立性基準
当社は、当社の適正なガバナンスにとって必要な客観性と透明性を確保するために、社外取締役及び社外監査役、又は社外役員候補者の独立性基準を定めることとし、次の各項目のいずれにも該当しない場合は、当社にとって十分な独立性を有しているものと判断いたします。
独立役員届出書
1.本人が、現在又は過去3年間において、以下に定義する項目(以下、「相反事項」という)のいずれかに該当する者
2.本人の配偶者、二親等内の親族又は同居の親族で、現在、相反事項のいずれかに該当する者
3.上述の各項の定めにかかわらず、その他、当社と利益相反関係が生じ得る特段の事由が存在すると認められる者
相反事項
- ① 当社及び当社の連結子会社(以下、「当社グループ」という)の業務執行取締役、執行役員、その他これらに準じる者及び使用人(以下、「業務執行者」という)
- ② 当社グループの主要な取引先又はその業務執行者(注)
- ③ 当社グループから役員報酬以外に年間1,000万円を超える金銭その他の財産を得ている弁護士、公認会計士、税理士又はコンサルタント等の専門家
- ④ ③が法人・組合等の団体である場合は、②に規定する基準に準ずる
- ⑤ 当社グループから年間1,000万円を超える寄付又は助成を受けている者又は法人等の団体に所属する者
- ⑥ 当社グループの業務執行取締役又は常勤監査役が他の会社の社外取締役又は社外監査役を兼任している場合において、当該他の会社の業務執行者
- ⑦ 当社の総議決権数の10%以上の議決権を直接又は間接的に保有している者又はその業務執行者
- ⑧ 当社が総議決権数の10%以上の議決権を直接又は間接的に保有している者又はその業務執行者
- ⑨ 当社の会計監査人のパートナー又は当社の監査に従事する者
注:当社グループの主要な取引先とは下記のとおりとする。
* 当社グループの商品又は役務等の提供先であって、その年間取引金額が、当社の過去3事業年度の平均で連結売上高の2%を超える取引先
* 当社グループの商品又は役務等の仕入先であって、その年間取引金額が、相手方の過去3事業年度の平均で連結売上高の2%を超える取引先
* 当社グループの借入先であって、その借入金残高が当社事業年度末において当社の連結総資産の2%を超える取引先